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日本酒あれこれ

日本酒の熟成って何?劣化ってどんな状態??

2024年05月14日
日本酒の熟成

日本酒は少しデリケートな一面も持ち、管理状況により品質が下がることもありますが、より美味しくさせることも可能です。

折角手に入れた大切なお酒なら、美味しく味わいたいですよね。

ここでは入手後、より美味しく飲むための管理法についてお伝えしたいと思います。

 

お酒は良い管理をすると【熟成】され、より美味しくお飲みいただけるということは、皆さん聞かれたこともあると思います。ですが日本酒における【熟成】とはどういうことを言うのかを知っている方はあまりいらっしゃらないかもしれません。「じっくり寝かせることで旨くなるんでしょ?」確かにそうなのですが、大切なのはどう寝かせるか、そしてどう変化することで美味しくなるのか、ということだと思いますので、少しご紹介いたします。

 

 

お酒にとって良くない管理をすると【熟成】ではなく、【劣化】に繋がります。日本酒は劣化すると、《老香(ひねか)》と呼ばれる不快な臭いを発したり、味がぼやけたり、酸っぱい香味を感じたりと、その品質を著しく低下させてしまいます。その要因となるのが、主に《温度》《酸化》《紫外線》の3要素と言われています。

保存の際にこれら【劣化】の原因に気を付けて、正しく管理していくことは良い【熟成】に繋げることにおいて大変重要なことですので、少々面倒でも美味しいお酒を飲む未来を想像しながら以下のことに注意していきましょう。

 

1.温度:日本酒は常温以上での管理や急激な温度変化に弱く、元々の成分が化学変化を起こしてしまい、酒質の劣化に繋がります。保管の際は急激に温度上昇が起きる場所は避け、なるべく低温(少なくとも10℃以下の場所が好ましい)で管理するようにしましょう。特に火入れ殺菌をしていない生酒は必ず冷蔵庫で保管してください。

 

2.酸化:日本酒を開栓すると当然ですが、空気中の酸素に液体が触れることになります。そうした状態で長く放置すると、お酒は酸化し酸っぱくなってしまいます。また色味も黄色がかってきます。開栓後に酸化を防ぐことはできませんが、瓶内の空気を抜いて真空の状態にすることで酸化を遅らせるようなアイテムもあります。それでも開栓したらなるべく早めに飲み切ってしまうのがベストでしょう。

 

3.紫外線:日本酒は太陽光に含まれる紫外線にも弱く、異臭を発生させる要因となります。紫外線から日本酒を守るためには酒瓶に陽光や蛍光灯の光を極力当てないことが重要です。光があまり届かない冷暗所での保管が良いのですが、もしご家庭にそのような場所がない場合は、新聞紙などで巻いて光を遮断することでも大きな効果があります。先に述べたように温度管理と共に光を当てないことも対策していきましょう。

 

上記の点に注意しながら、適切な保管が出来ることで【良い熟成】は進んでいきます。良い熟成が進むと、荒々しさが落ち着き、味わいに円みが生まれて、飲みやすくなると言われております。その時にお酒の中ではどのようなことが起きているのかに注目すると、お酒の成分に次のような化学変化が起きているということが分かります。

日本酒中には水分子とアルコール分子が混在しており、新酒ではそれらの分子がバラバラに独立しており、これによりアルコールの香りや味が強く感じられます。一方で良い熟成が進んだお酒ではアルコール分子を水分子が取り囲んでいる状態になり、角がとれ、まろやかで飲みやすいお酒になっていきます。

一言で熟成といっても、お酒には様々な要因で変化がもたらされ、味わいにも影響することは、日本酒の奥深さや、魅力的で楽しいものと思っていただけるのではないでしょうか。ただ、新酒には新酒の良さもありますので、皆様のお好みでお酒をお楽しみ頂けたら幸いです。